浮体構造物 Floating Structures
超大型浮体構造物の特徴
近年,海上空港として,または,風力・太陽光発電の基地といった目的で,超大型の浮体構造物を利用することが考えられるようになりました.
移動可能であるという点が,浮体構造物の大きな利点です. そこで,例えば,災害後の移動地盤として,浮体構造物を利用することも考えられています.
超大型浮体構造物は,剛性を有する柔軟な薄板のような挙動を示します. 面積の大きな,あるいは,長い下敷きが,水面にうまく浮かんでいるような状態を想像してみて下さい. そこに波がやって来ると,下敷きも振動します. 水の運動が下敷きを曲げるのですが,下敷きの性質も,水の運動に影響を与えます. 超大型浮体構造物は,流体と互いに関係し合って運動する構造物と言えます.

水面や水中で振動する
大規模薄板構造物と
表面波・内部波
薄板状構造物と多層流体の相互干渉を支配する非線形方程式系を提案しました.
薄板状構造物と多層流体の相互干渉を支配する非線形方程式系を基礎方程式系とする数値モデルを適用して,そして,鉛直断面内の2層層流体を対象とした数値解析を行ないました.
そして,薄板状浮体構造物の振動に伴い,内部界面が共振する場合があること,また,薄板状浮体構造物に作用する圧力が1層流体の場合と異なることを示しました.
薄板状浮体構造物上を
移動する荷重により生成される
表面波・内部波
超大型浮体空港の上を飛行機や重機等が動くと,そのスピードによっては,表面波や内部波が発生し,周囲に伝わっていきます.
構造物が覆う水域において,密度成層が形成されている場合,浮体の振動に伴い,表面波のみならず内部波も発生するでしょう. 従って,こうした内部波が,周辺水域や浅水域に伝播すると,浮体構造物の動揺が,水温変化等を通じて,水圏環境に影響を与えることになります.
そこで,本研究では,薄板状浮体構造物と1層流体,あるいは,2層流体との相互干渉問題に適用可能な数値モデルを開発しました. そして,まず,モデルの検証のために,津波を想定した孤立波が来襲する場合の薄板状浮体構造物の動揺に関して,数値解析結果と既存の水理実験結果とを比較しました.
次に,薄板状浮体構造物上に作用する点荷重の移動によって生成される表面波及び内部波の数値解析を行ないました.
航空機の離着陸に伴う
大型浮体構造物の振動
海面に浮かぶ海上空港は,飛行機の離着陸に伴い振動します. 従って,この揺れが飛行機に影響を与えるかどうか,また,海上空港にどのようなモーメントが働くのかといったことを把握しておくことが重要です.
本研究では,超大型浮体構造物である海上空港を想定した数値シミュレーションを行ない,航空機の離着陸に伴う超大型浮体構造物の振動に関して検討しました. その結果,静水深が浅く,生成される浮体波の振幅が大きい場合,航空機の離陸,または,着陸に伴い,海上空港に格子状の振動場が形成されることがわかりました.

